旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎
(現・名古屋市市政資料館)
1922年竣工。名古屋市東区「文化のみち」にある「旧名古屋控訴院地方裁判所区裁判所庁舎」は、控訴院・地方裁判所・区裁判所の合同庁舎として現存する最古の控訴院建築です。1979年の新庁舎移転時に旧庁舎は取り壊される予定でしたが、保存を望む声に推され保存を決定。1984年に重要文化財として指定され、保存修理・復原工事を経た後、1989年に「名古屋市市政資料館」としてリニューアルしました。
「神鏡と神剣」の装飾のある玄関ポーチを通過し舎内へ入ると目に留まるのが、「罪と罰の天秤」のステンドグラス。このステンドグラスのある2階の中央階段室には、このほかにも大理石とマーブル塗りの柱や手すり、結霜ガラスの窓、漆喰仕上げの天井に「日輪」のステンドグラスなどがあり、3階の法廷や会議室と併せて見どころの一つ。
一見すると華やかなデザインですが、1階にある薄暗い留置場から中央階段室、法廷へと続く道は決して華やかなものではなく、ある者には「公明正大で正しい判断を行う希望」として、ある者には「犯した罪を人が裁く場所」として、厳正に裁判を行う場所ならではの機能と装飾を併せもった建築です。
建築家プロフィール
ARCHITECT PROFILES山下啓次郎
Keijiro.Yamashita(1868.1.12 – 1931.2.6)薩摩生まれの建築家。帝国大学工科大学造家学科卒。警視庁入庁後、1897年に司法省へ移り司法技師となり、営繕課長などを務める。代表作は、明治五大監獄(千葉・金沢・奈良・長崎・鹿児島)。
金刺森太郎
Shintaro.Kanazashi(1863 – 1929)伊豆生まれの木工家・建築家。数々の現場に従事した後、司法省営繕課の司法技師となる。福岡・大阪・京都・名古屋などの控訴院建築を担当。
見学インフォメーション
VISITOR INFORMATION名鉄瀬戸線「東大手」下車、徒歩5分
市バス / なごや観光ルートバス メーグル「市政資料館南」下車、徒歩5分
市バス / 名鉄バス「清水口」下車、徒歩8分
市バス / 名鉄バス「市役所」下車、徒歩8分
館内カフェ『名古屋市市政資料館 喫茶室』
●画像準備中
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